【日記】2009年7月「俺はいつまでこのことを忘れずにいられるだろうか?」

日記
2009/05/23 14:02

彼女の部屋に来るのはもう何度目だろう。

忙しいスケジュールをなんとか押し退けやってきた割に歓迎のない事態に少し腹を立てていた。俺はとても疲れていたし、いきなりパシリにされるとは思ってもいなかった。しかし彼女の部屋の空気を吸いこむとそんな気持ちは綺麗に消えた。いつかの新鮮な気持ちがよみがえった。それは遠い昔に感じたもののように思えた。それがいい事なのか悪いことなのかは今の自分にはまだよくわからない。ただ心のどこかですごく悲しんでいるということだけはわかった。

昨日は勉強会の後Cの家で麻雀をした。初心者だらけのレベルの低い麻雀で退屈だった。

Kさんのお友達は正直俺には合わないタイプだと会った瞬間思った。MさんはRさんに似ていた。

バイクを取りに美穂さんと大学まで歩いた。有意義な時間だった。

朝の9時少し前に起きた俺は1人大学へと向かった。俺の隣には知らないうちにHが寝ていた。睡魔に負けそうになりながらもなんとか授業を受け、一度家に帰り、洗濯物を部屋にほし植物に水をやった。それから急いで駅に向かい、切符販売機では買うことのできない距離の切符を買うと、急いで電車に飛び乗った。

NO MORE TEARSを聞いてザックのギターに酔い痴れた。F駅でM町行きの電車に乗りK市へ向かう。電車を待つのは中高生がほとんどだった。昨日食べたスコーンの味がまだ口の中に残っている。ロッテのクールミントを久しぶりに買った。昔兄貴がよく持っていた。

電車がやってくるとみな我先にと乗り込んだ。Cの好きそうな女子中学生ばかりだった。乗り換えまでの間俺はずっとメタルを聞いていたが、中学生達のたわいもない話がイヤホンの向こうから聞こえてきた。 M駅で乗り換える。ここはたぶんもうY県だろう。こんなところで降りる人間もいるのだなと、いつもそう思う。

電車の中から廃れた商店街の錆びた看板がいくつか見えた。この前借りたリーリトナーとラリーカールトンのアルバムを聞きながらK市まで向かうことにした。4人がけの席に1人で座り  少々申し訳なく思っていた。窓の外を通り過ぎていく山や林はどこも鬱蒼としていて涼し気だった。山の向こうにとても高い入道雲を見つけた。もうそんな季節なのだ。

知らないうちに俺は寝ていた。気付くともうK市の一つ手前まで来ていた。電車を降りる時中学生らしき男の子に携帯を忘れていると言われ、急いでありがとうと言った。田舎の子供は優しい。

K市からM市行きの特急に乗り換え、椎名林檎を聞きながら窓の外の景色を見て美穂さんのことを考えていた。綺麗な空だった。

M市に着くと急に雨が降り出した。Uさんに連絡してお土産を物色していた。外には大粒の雨が降っていて、近くのスーパーまで牛乳を買いに行った。雨はどんどん強くなり俺はUさんがくるまでスーパーの中で雨宿りをしていた。暇潰しに観光用のパンフレットを見ていた。隣には大学生のカップルというような2人が何かを話していた。幸せそうだった。

Uさんから電話が来て外に出ると多くの人が雨宿りをしていた。中には買い物袋を自転車のかごにつめ雨を強引に帰ろうとしている人もいた。Uさんを見つけた。

髪が短くなっていたがしばらくその事には気付かなかった。相変わらずだった。会うのは久しぶりで、どんなふうに会話をしていたのか、最初のうちは思い出せなかった。知り合いに会わないようにわざわざ遠回りをしてきたのに見つかってしまったらしい。

家に着くと俺はすぐに着替えて寝かせてもらった。彼女は1人英語の勉強を始めた。寝ている俺に無理やり話し掛けてきた。そんな他愛もないやり取りが楽しかった。

シチューライスとポテトサラダを食べて温泉へむかった。温泉へ向かう道は楽しかった。晴れていれば月が綺麗だったろう。雨上がりの街がキラキラ輝いていた。綺麗だった。俺たちは仲良く並んで 笑いながら歩いた。

俺はあまりの疲れで温泉の中で眠ってしまった。出てきてすぐに彼女に謝り、コーヒー牛乳を一つのんだ。帰り道は彼女の嫌がる川沿いの暗い道を通った。手をつないで歩いた。家に着いたら俺はすぐにベッドに入った。彼女は勉強するといってしばらく部屋を掃除していたが、やがて疲れてベッドに入ってきた。

俺は明日帰るつもりだった。これ以上ここにいる必要はない。ここにいると悲しくなる。

俺たちは相変わらずベッドの中でじゃれあっていた。でもキスはしない約束だった。

俺は大学での話しをした。M2やKやS、HやYさん、Cのことを話した。美穂さんの話しもした。美穂さんが先週泊りに来たこと。なかなか話のわかる人だということ。

それを話すと眠気は飛び、俺たちは明るくなるまで抱き合って色んな事を話していた。

目が覚めると時計は11時を指していた。俺たちは起き上がることなくその後4時までずっと話していた。俺は明日帰ることになった。直前まで迷ったが、今ではあの時帰らなくて良かったと思っている 。

俺は肉を買いに外へ出た。日の光を久しぶりに浴びたような気がした。彼女は家でパスタを作って待っていた。俺は体調が悪く 家に戻るとすぐに横になり、彼女をベッドに引きずり込むと2時間ほど眠ってしまった。

慌てて起きて夕食をすますと、飲むものを買いにコンビニへ向かった。外にでると月が出ていた。綺麗な月だった。コンビニまでの道、俺たちは手をつないで川沿いを歩いた。色んなことを話しながら。アイスを買って河原に座り、月を見ながら話をした。

俺たちはいつまで今日のことを覚えていられるだろう。俺はいつまでこのことを忘れずにいられるだろうか。俺は幸せだった。一年前なら想像でいないことだろう。まさかこんな場所に彼女と、こんな気持ちで一緒にいようとは。

こんな気持ちをいつまでも忘れたくないと思った。そしていつまでも彼女にこのことを覚えていてほしいと思った。

おわり

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この記事を書いた人

平成生まれのアラウンド・サーティーです。30歳を迎えるにあたって何かを変えなければという焦りからブログをはじめました。このブログを通じてこれまでの経験や学びを整理し、自己理解を深めたいと思っています。お気軽にコメントいただけますと励みになります。どうぞよろしくお願いいたします。

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