【日記】2010年12月「カウントダウン」

日記
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12月1日水曜日

今日から12月。2010年最後の月。2011年まであと31日。
思い描いていた大学2年生。それは一体どんなものだったろう。とりあえず、早寝早起きができるようになりたい。規則正しい生活。理性的生活。毎朝朝日と共に起床して、ジョギングをしてからシャワーを浴びて、まともな朝食をとりながらニュースを見て、うまいコーヒーを飲みながらタバコを吸う。講義がなければ午前中は読書、午後は英語の勉強や会計学の勉強、課題なんかを片付けて、ゆっくりテレビでも見ながらごろごろして、バイクでひとっ走りしてから温泉へ行ってうまい飯を食って、日記を書いて早めの就寝。夢の生活。大人の生活。もう一週間がたってしまったが何一つできているものはない。この日は昼まで寝ていて、市役所になんとか証明書をもらいに行ってから家で商学部へ送る必要な書類を作っていた。5限の人類学は休んだ。6時から紫陽花の練習をする約束をしていて、その前にサントムーンへ行って外付けハードディスクを買って、郵便局で書類を郵送した。みんなで紫陽花をあわせてからアイザックに飯を食いに行った、はず。でHさんからメールが来てたんだ
その後Cの家に泊まったのか、泊まってないのか思い出せない。確か泊まって3時まで寝てたのか?わからない。それからKRが来て、ホンマデッかTVの話をしたんだっけ?そうかもしれない。
とにかく、この日もどこかに飯を食いに行ってそのままCの家に泊まった。俺は次の日までに仕上げないといけないレポートが2つあって、それをCの家でやろうと思った。Jから意味深なメールが来て、俺は自分のステップで踊って見せた。そして眠った。

12月3日金曜日

1限に行ってレポートを出した。1限の間にもう一枚レポートを書いて次の授業で出した。それから5限まで家でごろごろしてから、再び大学に行って5限に出た。O先輩にセッターをもらって、セッター買って帰って大人しく寝た。地上波でやっていた映画を見たが、何をやっていたのかさっぱり思い出せない。

12月4日土曜日

たぶん昼まで寝てたんだと思う。モンハンを買いに行こうと思ってトイザラス行ったけど売ってなかった。ヤマダ電機にもエディオンにもなかった。Jからメールが来てパソコンの話して、、、それからが思い出せない。

12月5日日曜日

夕方まで寝ていた。タバコを吸おうと思ってベランダに出てみると、夕焼けがすごくきれいだった。思わず写真を撮ってJに送った。こんな美しい景色ももう見られなくなるのか。俺はこの部屋が好きだった。この部屋から見えるいろんな景色が。寂しくなる。こうしてベランダで景色を眺めることだけが唯一の息抜きだった。これがなくなったら、これができない生活で果たして俺は上手く生きていけるのだろうか?そう思った。

12月6日月曜日

目が覚めたのは午後2時。昨日、一昨日に引き続いて今日も雲ひとつない快晴だったから峠にでも行こうと考えた。あいつからのメールを期待して携帯を見てみるとYさんから電話が一本と、SSからメールが来ていた。今日は定期ライブのリハーサルだった、すっかり忘れてた。もちろんそんなことよりもバイクで峠に行くほうが大切なので、とりあえず無視して出発の準備をした。

フルーツグラノーラを食べながらテレビを見て、今日も一日日本社会が平和に運営されていることを確認した。そういえば昨日の夜は結構大きな地震があって目が覚めた。この後にもっと大きな地震がくるのではないかと警戒したが、そんなことを考えている間に寝てしまった。

DAMAGE INCを聞きながら着替えを済ませて、iPodでMETALLICAを聞きながらCのうちの近くのガソリンスタンドへ向かった。給油を済ませて出発。上りに入ってしばらくは大きなトラックやらダンプやらが混雑していたが、イライラせずにJAMZの歌声に酔いしれることにした。

追い越し車線で一気にトラックをパスして、センターラインを無視しながら峠へと続く坂道を一気に駆け上った。時刻はもう4時を回っていた。眼下にたたずむ街は迎えたばかりの冬の薄い雲に覆われていた。夕日が高原の草木達をやさしく包んでいた。標高が高くなり、風も冷たくなってきた。道の脇では夕日の写真を取ろうとカメラを構えている人もいた。思わず止まって写真を撮りたくなるような景色ばかりだったが、デジカメを忘れたことに気が付いた。俺はいつもどこか抜けている。

ここに住んでいるうちはいつでも峠に来ることができるし、天気がよければいつでもこの美しい景色を眺めることができる。でもこんな景色も、もうすぐ見られなくなる。この道を走るのはもう何度目だろう?ZZRでは初めてだ。RS50とはもう何度も来たな。後何回来られるんだろう?峠に着くと、富士山が信じられないくらいに美しく聳え立っているのが見えた。湾に沈む夕日の神秘的な光に、山の側面が美しく照らされていた。もう8合目付近まで雪が積もっている。冬が来たのだ。

夕日は長い一日の最後の力を振り絞り、熱く輝いていた。水平線へと伸びるいくつもの飛行機雲は、上空の冷たい風に流されながら夕日を浴び、黄昏の空に幻想的な陰影を作り出していた。タバコを吸いながら夕日を眺めた。夕日は水平線に近づくにつれ上から押しつぶされたような楕円形へと変化していった。まるで沈むことを拒否するかのように。そしてまた一段と輝きを増した。明けない夜がないのと同じように、暮れない昼もない。太陽は嫌でも、その役目を終えて次の一日を照らし出さなくてはいけない。半分沈んだ太陽は台形のような形をしていた。それから太陽は諦めたように沈んでいった。太陽がどんどん小さくなり、最後の一筋の光を地上に注ぎ終えるのを見届けた後、俺はバイクにまたがり道を引き返した。

大学に着くとすでに6時だった。トイレでCに会い、あと定期ライブのリハーサル終了まであと3時間くらいあるといわれた。受付はSS係長がいないので何をしていいのかがよくわからない。YさんやKさんにあれこれ仕事の内容を教えられて、係長にならなくてほんとによかったと思った。しばらくKRとしゃべった後で、部室にギターを取りに行ってコーヒーを買って一服した。Yさん本当に大変そうだな。戻るとKが出てきてもう一服することになった。適当におしゃべりをした後Kは帰っていった。受付の一年生が来たらしく、何か仕事を始めなければいけない雰囲気になった。俺は適当に指示を出してギターを弾きながらKRとしゃべっていた。途中でMさんが加わり、先輩が出てきたので何かしてなきゃまずいと思って画用紙やらなんやらをまた部室にとりに行った。KRとポスターに張ってある星をはがして、Kさんに熊の学校を作ってもらって、ランボルギーニの話をして、アコースティックギターのあっこー君を書いて、その日の準備は終了した。今日も一日よく働いた。そんな気持ちだった。

機材を部室に運ぶとき、なぜかMさんが早足で追いかけてきて仕方がないので自分から話しかけた。Mさんは中学生の頃は英語研究部みたいな部活で、高校のときは何もやってなかったらしい。つまり運動神経ゼロだ。山形出身なのに訛りがないねという話から、山形県の位置についてしばらく話した後で会話は終了した。アイザックへ行こうといって川越と合流し、俺はバイクで先に向かった。9時を過ぎているから駅の駐輪場が無料で使える。駅前のローソンで立ち読みをしながらやつらが来るのを待つことにした。「日本の宿」という雑誌を見つけて、つい読み入ってしまった。長野県にもいい宿がたくさんある。誰と行くのか?俺の頭にはなぜかJの顔しか思い浮かばなかった。アイザックに入るとやつらはすでに到着していて、俺はナスドリアを注文した。右隣の席では同じ学科の1年と思わしき女子たちが、みんなでレポートを書いていた。そのせいで最初タバコが非常に吸いにくかった。一番奥の北村氏と席を交換してもよかったが、隣の女子に気を使ってると思われたくもないし、かといってタバコを吸って嫌な顔をされたくもなかった。Yさんがタバコを吸うのをまって、俺もタバコに火をつけた。

やっぱりナスドリアはうまかった。次もこれで決まりだ。KRとYさんは急いで料理を平らげ、終電に間に合うように帰っていった。その後もしばらくCのデートプランについての話をした。こういった類の会話をするといつも感じることだが、俺の感性というのは少し歳をとりすぎているのだろうか、それともただの時代遅れか、流行を知らない野暮な人間なのか。

俺は女の子とどこかへ行くといったら非日常的な文化的情緒や自然風景を求めにどこかへ行く以外に選択肢がない。人の多いところになんか行きたくはないし、流行の店や街のイルミネーションをわざわざ好きな人と見に行きたくもない。今まで女の子と一緒に行ったところといえば、何もない駅、海、山、高原、渓谷、温泉、離島、(ラーメン屋)くらいなものだ。俺は一般成人男性よりもアウトドア派なのだろうか、それとも田舎育ちは自然を求めて人ごみを忌み嫌う傾向にあるのだろうか。一体どんな方程式がゲーセンでプリクラという答えをはじき出すのか俺には皆目検討もつかない。だが、それも単なる批判的思考という傾向性によって与えられた偏見でしかないのだろうか。そんなことはないと信じたい。村上春樹の小説の主人公はプリクラなんて撮ったりしない。

そんな幸せな会話の途中で、店員が閉店の知らせをつげにやってきた。いつものように10円ガムを自販機で勝った。今日のガムは赤色だった。愛、情熱、恐怖、俺のバイク、そんなものを連想させる色、赤。

家に帰ってiPodのデータをバックアップして、必要のないデータをすべて消去した。パソコンも脳みそも、部屋もエフェクターケースも、クリーンでスマートな方がいい。

ベランダでタバコを吸って明日の天気をチェックする。風呂に入って、カーテンを全開にして、明日は一体何時に起きられるんだろうと思いながら、遠い昔に見た夢の続きを見るべく、ゆっくりとまぶたを閉じた。

おわり

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この記事を書いた人

平成生まれのアラウンド・サーティーです。30歳を迎えるにあたって何かを変えなければという焦りからブログをはじめました。このブログを通じてこれまでの経験や学びを整理し、自己理解を深めたいと思っています。お気軽にコメントいただけますと励みになります。どうぞよろしくお願いいたします。

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